2010 年 3 月 のアーカイブ

今月の法話(4月)

2010 年 3 月 31 日

     

   

 「花まつり」

 安孫子虔悦(江東組 正覺院) 

 

   両の手に 桃と桜や 草の餅   嵐雪

  春爛漫、墨堤で遊ぶ江戸の人々の幸せを感じる名句です。全国に桜の名勝は多く、今夜会う人皆美しく想われ、美酒を飲み交わす光景に桜花の魔力を感じます。浄土宗関東大本山増上寺の境内は、今春も満開の中に法然上人御忌大会が営まれ、念仏の声響きわたり、老若男女の団参にて賑わいました。新入生、新入社員、スタートのシーズン、いつも桜がつきものです。私の記憶の中のアルバムを紐解いてみても、人生の第一歩は、いつも桜と共に始まったものでした。しかし、そんな桜も昨今の温暖化による気候の不順の影響で危機を迎えています。某気象官のお話では、極寒を経ないと桜は満開とはならず、花開くほどで散ってしまいかねないということです。なんとも恐ろしいことではありませんか。開いても満開にならない花は、おそらく散る時も潔くとはいかず、いつまでも枝にしがみついていることでしょう。これでは、「散る桜、残る桜も散る桜」の戒めも意味を成さなくなってしまいます。こんな状景が近い内にみられるのかもしれません。見たくない、冗談でしょうと言いたいが確実に、しかも足早に四季の異状がありそうです。おそらく皆さんもどこかで最近の異状気象を実感していることでしょう。

 私たちは、「いきいきと平和に暮らしている」かといえば決してそうではありません。「どこか、おかしい」とは思いませんか。気候のせいばかりにするのはばかげているかもしれませんが、人まかせには出来ない世の中、あなた自身は大丈夫ですか。しっかりと大地にはった根をもっていますか。今はこのことが問われているのではないでしょうか。
 二〇〇八年に亡くなられたジャーナリストの筑紫哲也氏は、『若き友人たちへ』の著書に次のように述べられています。「日本人の好きな悲劇の英雄にとって変わって、今や判官贔屓どころか、バンドワゴン効果に乗り換える傾向が強い」と。「バンドワゴン」とは、音楽を流しながら走る馬車のことで、賑やかで面白そうなところへみんながついて行く現象のことをこう呼んでいます。寄らば大樹の陰、勝ち組・負け組のランク付けが強まり、ひいてはそれが児童の世界まで普遍している時代。いじめの衝撃の傑作『ヘヴン』の川上未映子氏は今や時の人でもあります。しかしまた一方では、流れは変えようとする明治の活力を現代にとの発想なのか、『龍馬伝』が大河ドラマにもなる。「レキジョ」という言葉の流行が示すように、日本の歴史への探求が見直されてもいる。こうして見てくると、今日は、乗るべき「バンドワゴン」すらも何か分からないといったような不安定な時代と言えるのではないでしょうか。

 そんな変わりやすい時代の中でも、今も昔も変わることなく、四月八日はお釈迦さまのお誕生日を祝う「花まつり」が各寺院で営まれます。誕生仏に小さな杓で注ぐ甘茶は芳ばしく、花御堂の前は、参詣人で賑わっています。お釈迦さまのご生誕と言えば、すぐ引き合いに出されるのが、「天上天下唯我独尊」の銘句です。皆さんも聞いたことはあるでしょう。このお言葉は、「生きとし生ける全ての生命は、一つ一つすばらしいものであり、互いに尊敬し、共に生きつづけることを誓いましょう」という意で、いわば「人間誕生の誓約」であると言えましょう。私のお寺では、すでに春彼岸の時分に玄関先に花御堂を設置し、花まつりを始めさせていただきました。墓参の方々が誕生仏に甘茶をかけ手を合わす姿は、誠にありがたいことと拝見いたしました。ある時私が玄関先に出ていますと、一人の初老男性がご夫人に「天上天下の文」を説明している声が聞こえてきました。驚きました。「君、この名文は、人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」と慶應義塾創立者である某博士の金言を引き当てて話していたのです。私が咄嗟に訂正に入って事なきを得ましたが、住職としての教え不足に恥入り、改めて「花まつりとは」と考えさせられた一件でありました。
 お釈迦さまのお誕生日であります花まつりは、日本人の思想の根幹をなすお釈迦さまのみ教え、すなわち仏教を見つめ直す非常にいい機会です。因みに、花まつりの一日前、四月七日は宗祖法然上人のお誕生日です。法然上人は、八万四千とも言われる仏教の教えを、念仏の切り口から説かれました。「愚者の自覚」、まずはこのことから始めましょう。私たちは、念仏に勝る正行はないとの上人のみ教えを頂戴して、日々南無阿弥陀仏とお称えし、念仏の中に日暮して平成二十三年の八百年御忌をむかえて参りましょう。

平成22年度「仏教成人大学」バス研修

2010 年 3 月 31 日

多くの皆様のご参加ありがとうございました。
好天に恵まれ、今年のバス研修は無事終了いたしました。来年度も実りあるバス研修を予定しております。

 6月21日(月)8:00集合 17:30解散
 (於:大本山増上寺)  
 参加費:6000円
 
谷保天満宮(国立市)
 法然上人の直弟子である津戸三郎為守公の再興された関東三天神の一つです。法然上人より為守公が授かったと伝えられる「血文阿弥陀如来」を参拝いたします。為守公の御子孫である宮司様より御講話をしていただきます。
 ②幡随院(小金井市)
 幡随意上人によって開かれ、浄土宗僧侶の養成機関であった関東十八檀林の一つである名刹で、古くは浅草にありました。裏手に住んでいたことから幡随院長兵衛と呼ばれた侠客は、歌舞伎や講談でも有名です。
 ③狭山不動(埼玉県所沢市)
 天台宗の別格本山で、東京・芝の浄土宗大本山増上寺から移設された御成門、勅願門、丁子門、灯籠などがあります。
 ④正福寺(東村山市)
 臨済宗建長寺派の寺院で、都内唯一の国宝建築物である「千体地蔵堂」があります。今回は特別に堂内から拝観させていただく予定です。

平成22年度 仏教イヴニングスクール・一夜一会(いちやいちえ)

2010 年 3 月 9 日

お勤めの方・学生の方も参加できるよう企画された夜の講演会です。仏教の魅力を語っていただきます。
多くの皆さまにご来場いただきました。ありがとうございました。

日時:5月12日(水)19:00~20:30
 場所:大本山増上寺三縁ホール
 「仏像の旅に出かけよう!」
 講師:仏像ガール®
 (仏像ナビゲーター
    ・奈良国立博物館
       文化大使)
  入場料:500円

(↑申込書・クリックすると拡大します)

   お問合わせ・申し込み:東京教区教化団まで
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